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やっぱり俺は馬鹿なんだと思う。

9 忘れていたこと

 よほど俺はにやけていたらしい。昼休みに鳥羽に白状させられた。篠田さんが処女じゃなかったことに鳥羽は驚いてたけど、笑って言った。
「でも、これで、長谷部も無事、解放ってことだよね。あとは、さらっとふっちゃえば? 処女じゃないなら、責任がどうってこともないだろうし。でも年齢からすると、かえってしつこいかな。長谷部、大変だなあ、俺じゃなくてよかったよ。がんばれよ」
 忘れてた。俺にはとっくの昔にそうじゃなくなってたけど、二人にはそういうことなんだ。俺と篠田さんの関係は偽者なんだ。
「鳥羽、俺、続けることにしたから、もうその話、終わりな」
 それだけ言って、その場を離れた。それで済んだと思っていた俺はやっぱり馬鹿なんだと思う。鳥羽が橋川さんに言わないはずがなかったんだから。


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